『星島日報』特別版インタビュー|Evonet社長 Remas Ho氏:独自技術でクロスボーダー決済の壁を打破、ワンストップソリューションで企業の海外展開を支援

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本記事は、2026年8月31日付『星島日報(Sing Tao Daily)』特別版に掲載された記事を転載したものです。Evonetの社長、Remas Ho氏がインタビューに応じ、自社開発のインテリジェント・ペイメントゲートウェイ、アジア各地域に対応したローカル決済チャネル、そしてグローバルなコンプライアンス体制を通じて、企業のアジア市場およびグローバル市場への展開をどのように支援しているかについて語りました。

以下、記事本文:
 
近年、オンラインゲーム、有料ショートドラマ、AIツールなどの新興デジタルサービスが、企業の海外市場開拓を後押しする新たな成長エンジンとなっています。一方、アジア市場では、決済エコシステムの細分化、比較的高い決済拒否率、複数地域にまたがる複雑なコンプライアンス対応などが依然として課題となっており、多くのクロスボーダー企業にとって、現地で事業を展開する上での「ラストワンマイル」の障壁となっています。
 
クロスボーダー決済技術およびソリューションを提供するEvonetは、自社開発のインテリジェント・ペイメントゲートウェイ、アジア各地域に対応したローカル決済チャネル、そして堅固なグローバル・コンプライアンス体制を強みに、こうしたクロスボーダー決済の課題解決に取り組んでいます。今年、Evonetはさらに、**香港マーケティング協会(Hong Kong Institute of Marketing/HKIM)が主催する「Market Leadership Awards」において、「Market Leader in Payment Systems 2025/2026」**を受賞しました。『星島日報』はEvonet社長のRemas Ho氏にインタビューを行い、顧客のアジア市場での事業基盤強化とグローバル展開を支えるEvonetの戦略について話を聞きました。
 

細分化する市場への対応

海外展開の課題を乗り越える

クロスボーダー取引において、欧米とアジアでは決済システムが大きく異なり、この違いが多くの企業にとって海外展開を難しくする主な要因の一つとなっています。Remas氏によると、欧米市場ではVisaやMastercardなどのカードネットワークが中心となっており、取引モデルは比較的標準化・画一化されています。一方、アジアでは国・地域ごとに文化、法規制、消費習慣が大きく異なるため、決済エコシステムは細分化されており、欧米市場の取引モデルをそのまま適用することはできません。
 
「東南アジアの複数の国では、クレジットカードの普及率が10%未満にとどまり、多くの消費者がオンラインでクレジットカードを利用する習慣を持っていません。フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどでは、消費者は電子ウォレット、コンビニでの店頭支払い、銀行のリアルタイム送金といったローカル決済手段をより多く利用しています。企業が欧米市場と同じ発想のまま、クレジットカード決済だけに依存して事業を展開すれば、多くの潜在顧客を取りこぼす可能性があります。」
 
Evonetは創業当初から、**「アジア市場を最も理解するグローバル決済の専門家」というポジショニングを明確に掲げ、「Grow Globally, Pay Locally」**を重要な戦略としてきました。
 
「現在、当社の決済ネットワークは10以上の国・地域をカバーし、100種類を超えるローカル決済チャネルを統合しています。日本のコンビニ決済、タイのPromptPay、マレーシアのTouch ’n Go、シンガポールのGrabPayに加え、中国本土のAlipayやWeChat Payなど、各市場の主要な決済手段をシームレスにつなぐことで、クロスボーダー事業者が各地域の消費者層へより的確にリーチできるよう支援しています。」

 

In many Southeast Asian markets, credit card ownership remains limited, with consumers relying more heavily on local payment methods such as e-wallets, over-the-counter payments at convenience stores, and real-time bank transfers.

自社開発のインテリジェント・ペイメントゲートウェイ

2つの技術的強みで取引コンバージョン率を向上

デジタル経済の進展に伴い、企業の「顧客獲得コスト」は上昇を続けており、流入したユーザーを実際の取引へつなげるコンバージョン率も、海外事業の収益性を左右する重要な要素となっています。
 
「多くの加盟店が多額の広告費を投じて集客している一方で、決済時のシステム障害、決済チャネルの混雑、取引拒否、ページ表示の遅延などによって、ユーザーが購入を断念するケースがあります。その結果、獲得したトラフィックと集客コストの双方が無駄になってしまいます。」

Remas氏は、こうした課題に対応するため、Evonetが自社開発したインテリジェント・ペイメントゲートウェイを活用し、独自技術によって従来型決済システムの制約を克服することで、取引成功率とユーザー体験の大幅な向上を図っていると説明します。
 
「従来のクロスボーダー決済システムでは、単一かつ固定された取引ルートが採用されることが多く、清算銀行のシステムが混雑したり、決済チャネルに異常が発生したりすると、取引がそのまま拒否され、リカバリーの余地がほとんどありません。一方、当社のインテリジェント・ダイナミックルーティング技術では、取引データ、消費者の決済嗜好、各清算チャネルの成功率、手数料コストなど、多面的なデータをリアルタイムで取得・分析します。そしてミリ秒単位で、各取引に対して成功率が最も高く、コストが最も低い清算ルートを選択することで、不要な取引拒否を根本から減らします。」
 
また、Evonetが備えるインテリジェント・リトライ機能と柔軟なルート切り替え機能により、異常取引による購入離脱の解消にも取り組んでいます。
 
「利用可能額の不足や決済チャネルの一時的な障害などによって取引が拒否された場合でも、システムは単に『決済失敗』と表示するだけではありません。セキュアな取引データを自動的に再構成して再承認を行うほか、ローカル決済への案内を表示し、現地の電子ウォレットや銀行振込など、代替の決済手段へ切り替えて支払いを完了するようユーザーに案内します。」

Remas氏はさらに、市場では「決済は完了したにもかかわらず商品が発送されない」、あるいは「ネットワーク遅延によって二重に決済される」といった問題もたびたび発生しており、消費者の利益を損なうだけでなく、加盟店のブランドイメージにも深刻な影響を与えると指摘します。
 
「当社のインテリジェント・ペイメントゲートウェイは、決済プロセス全体の各ノードをリアルタイムで監視し、取引データをフィードバックすることで、コンバージョン失敗率の低減を図ります。これにより、加盟店は獲得したトラフィックの価値を守ると同時に、消費者の決済体験を大きく向上させ、リピート購入の促進にもつなげることができます。」
Evonet’s intelligent retry and flexible rerouting capabilities help address order abandonment caused by transaction disruptions, improving the consumer payment experience and encouraging repeat purchases.

 

包括的なライセンスと機関へのダイレクト接続

資金の安全性を強化

コンプライアンスと資金の安全性は、クロスボーダー決済業界の発展を支える基盤です。世界的に金融規制が厳格化する中、充実したライセンス体制と情報セキュリティ能力は、加盟店が決済パートナーを選定する際の重要な判断基準となっています。Evonetは、複数の国・地域をカバーする安全な決済基盤を構築しています。
 
「ライセンス面では、香港のマネーサービス事業者(MSO)ライセンス、およびシンガポール金融管理局(MAS)が発行する主要決済機関(MPI)ライセンスを保有しています。また、日本の経済産業省(METI)から第三者カード決済処理事業者として認められており、複数の国・地域で合法的に事業を展開するための資格を備えています。さらに、Visa、Mastercard、UnionPay、JCB、Diners、Discoverなどの国際カードブランドに加え、香港のOctopus、Alipay、WeChat Payなどの主要決済プラットフォームとも直接接続し、会員資格や認可に基づくパートナーシップを構築しています。こうした点が、当社の大きな競争優位性となっています。」
 
Remas氏は次のように説明します。
 
「カードブランドや決済ネットワークと直接接続することで、多層的な第三者仲介を介さずに取引プロセスを簡素化でき、決済・精算の効率を大幅に高めることができます。同時に、中間コストを削減することで、加盟店により競争力のある手数料体系を提供できます。さらに、資金の直接清算・直接決済が可能となり、照合や清算を自社で行うことで、中間事業者による不良債権や資金支払いの遅延といったリスクを排除し、加盟店の資金の安全性を確保します。
 
情報セキュリティ面では、Evonetは決済カード業界における最高水準のPCI DSS Level 1認証に加え、ISO 27001情報セキュリティマネジメント認証を取得しています。これにより、加盟店および消費者の取引データを保護し、情報漏えいを防止しています。」

 

新興デジタル産業に注力

企業の事業拡大を支援

オンラインゲーム、有料ショートドラマ、AIデジタルツール、SaaSサブスクリプションサービスなど、高成長を続ける新興産業に向けて、Evonetはワンストップのクロスボーダー決済ソリューションを個別に提供しています。高頻度・反復的・少額というクロスボーダー取引の特性に対応し、高いチャージバック率、市場開拓コスト、複雑な技術連携といった業界特有の課題解決を支援しています。
 
「技術連携の面では、単一APIによる迅速な接続サービスを提供しています。加盟店は一度の開発だけで、クレジットカード決済と100種類を超えるアジアのローカル決済チャネルを同時に導入できます。将来的にタイ、ベトナム、インドネシアなど新たな市場へ進出する場合も、追加開発は不要で、管理画面からサービスを有効化できます。これにより、海外市場への展開に要する期間を短縮し、技術コストを大幅に削減できます。」
 
サブスクリプション型サービスやマイクロペイメントにおける決済体験を向上させるため、Evonetは自動継続課金機能と、決済情報をトークン化して保存するシステムも構築しています。
 
「資金の安全性を確保しながら、スムーズな自動更新や少額決済の迅速な処理を実現し、ユーザーの長期的な決済体験を向上させています。同時に、AIを活用した不正検知・リスク管理エンジンを内蔵し、ユーザーのデバイス、IPアドレス、取引頻度、過去の行動履歴などのデータをリアルタイムで分析することで、取引リスクをインテリジェントに評価し、不正の疑いがある取引を事前に検知・遮断します。さらに、自動化されたチャージバック異議申立てツールと組み合わせ、AIで取引証憑を整理することで、加盟店によるチャージバック紛争への対応を効率化し、資金損失の軽減を支援しています。」
 
Remas氏によると、Evonetは現在、Tencent、Xiaomi、Transsionなど、国際的に知られるゲームパブリッシャーやインターネットブランドにサービスを提供し、日本、韓国、東南アジア市場への展開を支援しています。
 
「秒単位の取引承認と多様なローカル決済チャネルにより、ゲームユーザーが抱えていた決済遅延の課題を解決し、加盟店のチャージ金額や売上の大幅な成長につなげることができました。」

市場リーダーシップ賞を受賞

AIを見据え、新たな領域へ

数多くの決済事業者の中で存在感を示してきたEvonetは、**「HKIM Market Leadership Award - Market Leadership in Payment System 2025/2026」**を受賞しました。これまでの実績が評価された結果と言えます。
 
Remas氏は受賞への喜びを示し、この賞について、Evonetが長年にわたりアジア市場に深く取り組み、自社技術の研究開発を継続してきたことに対する業界からの評価だと述べました。
 
「現在、グループには数百名規模の専門チームが在籍しており、上海と無錫に技術研究開発拠点を設けています。継続的に技術力を高め、製品の最適化を進めています。今回の受賞は、チームが今後もイノベーションを続け、業界に貢献していくための大きな原動力になると考えています。」
 
世界のデジタル経済が今後さらに発展していくことを見据え、Evonetは次の成長に向けた事業拡大の青写真も描いています。
 
「アジア市場における当社の強みをさらに強化すると同時に、今後は欧米各地域で金融関連ライセンスの取得を進め、よりシームレスなグローバル決済ネットワークを構築していく方針です。これにより、アジア企業の欧米市場への展開を支援していきます。
 
技術面では、生成AIを活用した対話型決済ソリューションの研究開発に重点を置き、AIを通じて相談、商品選択、決済までの一連のプロセスをシームレスにつなげることを目指します。また、ロイヤルティプログラムやキャッシュバックなどのマーケティング機能を決済システムに組み込み、加盟店のリピート購入率向上や顧客エンゲージメント強化を支援していきます。」
 
Remas氏は最後に、次のように締めくくりました。
 
「今後もグローバルなサービスネットワークを継続的に強化し、専門性、安全性、効率性を兼ね備えたワンストップのクロスボーダー決済ソリューションを提供していきます。そして、企業がアジア市場へ進出し、グローバルに事業を展開していく上で、最も信頼される金融パートナーとなることを目指します。」

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